実感なし。
実家に帰っていました。
一週間ほど。
お世話になった方が逝ってしまった。
なんだか悲しいというか、
不思議な感じだった。
亡くなった方を送るためにみなが集まり、
そして去っていく。
残された奥さんのことを考えるといたたまれない。
自分が成長して年をとるように、
みな平等に年をとり、そしていなくなってしまう。
ただ日常を過ごしていると、自分のことで精一杯なのだけれど、
こういう出来事が起こるとたくさんの大切な人のことを考える。
その人たちがいなくなってしまうのが怖くて、
ずっと子どものままで時が止まってくれればとさえ思う。
何もしてあげることなんてできないかもしれん。
でも、今日があってよかったって思ってもらえるようなことをしていきたい。
また、年末には実家に帰ります。
もうちょっと長くいようと思います。
しろいもの。
近くのレンタルビデオ屋さんから帰るとき、
体が身震いした。
気付いたら、吐く息が白かった。
見間違いかと思って、何度か息を吐いてみた。
もっとよく見えるように、夜空に向かって吐いてみた。
やっぱり白い。
空は澄んでいて、月も星もくっきり見える。
これで寒ささえ我慢できれば、すっと見ていられるのに。
なんだか複雑な冬のはじまり。
9.25 ~出国~
日本へと向かう飛行機の中。
私は旅のことを思い返していた。
いろんな都市に行けてよかった。
あのジェラートは甘かったけどおいしかった。
イタリア人の陽気さやパワーを見習わなければ。
私はなーんも知らないんだな。
フィレンツェのドゥオモに登りたかった。
あのジプシーの子供は元気だろうか。
もっとイタリア語を勉強して行けばよかった。
日本に帰りたくないなぁ。
イタリアに住みたいなぁ。。。。
そんなことを考えている隣で、
母親は疲れた表情で眠っている。
考えてみると、こんなにも長く母親と二人きりでいたことがあっただろうか。
32年間続けてきた仕事を、今年の春退職した母。
家にいることはほとんどなかったから、
一緒に旅行なんてしたことない。
私は来春から、実家から遠く離れた地で働き始める。
忙しくなるだろうし、旅行に行く余裕なんてないかもしれない。
そんな状況になる前に、母親と一緒に旅行に行けてよかった。
雲のじゅうたんからひょっこり頭を出した富士山を見たとき、
とても安心して、ちょっと泣きそうになった。
やっぱり私は日本人だ。
この旅は、思い出以上のものになるような気がする。
9.24 ~ミラノ~
さて、イタリア旅行も大詰め。
明日はもう日本に帰る日だ。
楽しい時間ってのはすぐに過ぎてしまうもの。
あーあ。
最後に訪れた都市はミラノ。
いわずと知れた、ファッションの街である。
しかし、私はファッションよりアート。
この日は、私がこのツアーで一番楽しみにしていたといっても過言ではない。
ついに「最後の晩餐」なのだ。
最後の晩餐は壁画なので、動かすことはできない。
なのでレプリカは見れたとしても、
本物はミラノに行かないと見ることができないのです。
見学時間は15分。
撮影はもちろん禁止。
一つドアが開くと、その部屋に全員が入るまで次のドアが開かない仕組み。
セキュリティーばっちし。
なんだかおそるおそる薄暗い部屋へと入っていった。
「最後の晩餐」は、
サンタマリア・デレ・グラッツィエ教会の食堂に描かれた壁画だ。
そんなに広くない空間に、その画はあった。
ガイドさんが説明してくれるのを聞きながら、
私の目はその画に釘付けだった。
なんというか「すごい」とか「感動」という言葉で済ませるのは
もったいないほどのものだった。
こればかりは、見た人しかわからない。
うまく形容できることばがみつからない。
レオナルド・ダヴィンチという人について詳しく知っているわけではなかったが、
なにかがわかったような気がした。
15分の「最後の晩餐」は、おなかいっぱいになった。
教会の外の様子。
続いて向かったのは、ドゥオモ。
フィレンツェやピサでみたものとは違う、
ゴシック建築のもの。
彫刻が細かすぎて驚いた。
よくもここまでやったもんだ。
そのドゥオモの中。
太陽の光が差し込むステンドグラスは、
ずっと見ていたいほどキレイだった。
最後の観光地、コモ湖。
コモ湖はスイスとのほぼ国境上に位置している。
その山麓には、有名人の別荘が多数。
聞いたことある名前がたくさん出てきたけど、
よく覚えていません。
だって、人んち見たって・・・。
まぁ、景色はよかったですけど。
コモ湖を遊覧し、ホテルへと帰るバスに乗り込んだとき、
もう旅が終わるのだと思った。
明日、イタリアを旅立つことを考えると、寂しさでいっぱいだった。
9.22 ~ベネチア②~
リアルト橋からの景色。
これぞ、ベネチアという感じ。
気付けば太陽が顔を出している。
絵の中にいるみたいな気分だった。
ほら、どこを撮っても絵になる。
左の写真には、荷物をたくさん積んだ船が。
荷物はすべて船で運んでくる。
それを、荷車でお店へと運び入れる。
車が通れないのも大変だ。
休憩をはさみ、ゴンドラに乗った。
前日デジカメが充電できず、電池がやばくなってきた。
もっと撮りたいものがあったのにホントバカです。
節約しながら撮った2枚。
水の音がした。
風の音がした。
ゆったりと時間が流れた。
時間が止まればいいのにと思った。
ゴンドラに揺られながら、そのまま眠ってしまいたかった。
サンマルコ広場のところにあった塔。
なんていう名前かこれも忘れてしまったけど。
登ってみました。
エレベーターでやけど。
きれいですねー。
最高だ。
やっぱ、景観は大事だな。
ビルがたくさん建ってちゃいかんよ。
夢のような風景。
こんなすばらしい景色が、危機にさらされている。
地球温暖化のせいで水面が高くなっているため、
そのうちこの街は海の底に沈んでしまうかもしれない。
そう考えるとぞっとする。
今年の夏、私はエアコンを一度もつけなかった。
たいしたことじゃない。
でもそのたいしたことじゃないことが、大切だと思う。
9.23 ~ベネチア①~
出港。
朝から曇っている。
うーん。
20分ほど小型のボートでベネチアの街へと移動。
ボートに乗っていたら、猛スピードのボートを見かける。
なんだと思いきや、タクシーだそうで。
水上タクシー。
水の都は違うなぁ。
他の船が通った際につくった波の上を通るのが好きです。
激しいゆらゆら。
私、まだ子供やね。
ため息橋。
右の建物は以前刑務所だったところ。
囚人たちが処刑される前に、
この橋から最後の外の景色を見てため息をついたことから
「ため息橋」と呼ばれて「いる。
後でこの中に入ったのですが、中は真っ暗で。
罪の重さで部屋も違うそうで、
比較的罪の軽い人の部屋にはかろうじて光が入るくらい。
冷たくて寂しかった。
忘れた。
金色の翼を持つ天使たちがかわいかったので撮った写真。
サンマルコ広場の前。
べネチアングラスの職人さん。
おもしろそう。
私もやってみたかった。
風船みたいにプゥーって膨らんでました。
グラスは職人さんによっても値段が違うそうです。
ブランドやね。
そのべネチアングラスのお店でグラスより目に付いたのが、
シャンデリア。
見てるだけでうっとり。
フィレンツェよりも狭い路地を抜けて、
リアルト橋へと向かった。
9.22 ~ピサ~
午前中。ピサへと移動。
ピサといったら、斜塔。
それしか思いつかん。
ホントに傾いていた。
私がじゃなく、塔が。
いや、私が?
以前はもっと傾いたそうで。
少し調整したそうです。
すっごく重い大理石とか埋め込んで。
実は元通りにする技術はあるそうです。
でも元通りにはせず、安全な範囲で傾かせている。
そりゃそうだ。
傾いてないと「斜塔」じゃなくなる。
美しいドゥオモもあった。
フィレンツェのものとはまた一味違う。
彫刻がすばらしい。
白いのもステキ。
そして、ラッキーな出来事が。
ピサの斜塔には事前に予約しないと登れないのだけれど、
その日はたまたまチケットが取れた。
わーい!!
傾いているのに大丈夫なの?って思いますが、
一度に20人くらいまでならなんとかいけるそうで。
さぁ、出発!
ぐるぐるぐるぐる。
視界に入るのは階段と、前を行く人のおしり。
傾いているせいで、まともに歩けない。
左右に行ったりきたり。
そして、中腹に到着。
さっきのドゥオモ(写真奥)の上部が目の高さに。
けっこう高いな・・と思いつつ。
もっと上を目指す。
ここまで来ちゃった。
ドゥオモを見下ろすまでに。
人が小人みたいだ。
すっごい怖いんです。
母親は一番上までは登れませんでした。
街の景色はこんな。
階段とかすごく急で狭くて、登るの大変やったけど
登ってよかったー。
さすがに傾いたほうには長居できんかったけど。
ピサを後にし、午後は水の都、ベネチアへ移動。
旅も後半戦。
最近のわたし。
最近、更新が滞りまくっていますね。
ちょっと病んでいたのです。
精神的に。
それが影響したのか、軽く体的にも。
眠れない日が続いていました。
コーヒーの虜になってしまいました。
電話をかけるのがおっくうになっていました。
夜中に泣きまくっていました。
でも、支えてくれる人がいました。
人と話さないとダメだなって思った。
自分の内の方に向かいすぎる。
ホントに感謝です。
ありがとう。
で、復活いたしました。
イタリア日記も早く書いてしまわなければ。
もう一ヶ月過ぎたし。
だらだらしすぎです。
夜がもう冬だ。
夜中にごみを出しに行って、そう思いました。
9.21 ~フィレンツェ②~
(※わかりやすいHPで、「ウフィッツィ美術館の見学」をクリックすると、
実際に見学している気分になれます。)
残念ながら、ここも撮影禁止。
印象に残った作品をいくつか。
まずは、サンドロ・ボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』。
本物は、予想していたよりずっと落ち着いた色だった。
少しくすんだような、深い色。
こんな色どうやって出すんだって思った。
これも同じくサンドロ・ボッティチェッリの作品。
『春』。
教科書等でも見たことある作品なのに、
真剣に観たことはなかった。
ガイドさんの説明を聞いて、
関心というか、感動さえ覚えた。
右にいる緑の女性が風の神。
彼女が口から風を吹きかけると、
その左隣の女性の口からは、植物が芽を出している。
そして左から3番目の女性の衣装は植物の模様。
春の訪れを女性で表現するなんて!
新しい発見。
みんなおなかが大きいのも、
幸せを表しているらしい。
あー、そんな季節に生まれた私は幸せ者だ。
美術館、大好きだー。
なんか空気から違う。
そこには作者たちの温度とかもあるようで。
おなかいっぱい。
しばらく休憩してから、ドゥオモへ。
『冷静と情熱の間』という映画が上映されてから、
日本でますます有名になった。
フィレンツェのシンボル。
中はこんな。
この丸屋根のこと、クーポラというそう。
距離感おかしくなりそう。
ってか、よく描けたなーと思って。
この建物建てたのも人間。
人間ってすごい。
上までのぼりたかったのだけれど、
時間がなくて断念。
残念。
そんなこんなで、その日も日が暮れた。
9.21 ~フィレンツェ①~
AM7:00。
ホテルの前にあった朝市でフルーツを購入。
色鮮やかなフルーツや野菜を前に、
これもこれもとカゴの中へ。
なんて楽しいんだろう。
午前中。
バスにてフィレンツェへと移動。
まずは、ミケランジェロの丘へ。
ここからは、フィレンツェの街を一望できます。
うわぁって思った。
あ、あれだ。
冷静と情熱の間だ。
何か空までも油絵みたいでステキ。
日本とはちょっと違った空模様も見ることができる。
あと、ここにはダビデ像のレプリカも。
左肩には白いハト。
なんか話してるんだろうか。
私が見ている間ずっと、あの場所をキープ。
他にもたくさんのハトがいたのに、
あの一羽だけがずっとあそこに。
ずるい。
そして、フィレンツェの街中へ。
道はそんなに広くない。
というか、狭いくらい。
でもちょうどいい。
フィレンツェの街中にある、ベッキオ橋。
ん?
なんだか窓らしきものがいっぱいあって。。。
こんな感じになっとります。
橋の上に並ぶのは貴金属のお店。
キラキラキラキラ。
昔は生活用品や食料を売っていたそう。
アクセサリ好きの母親は、
光輝く宝石に夢中。
私はスリにあわないように、
周りの人に集中。
少しばかりの自由時間の後、
今日のメイン:ウフィッツィ美術館へと向かった。
②へ続く。。。