17時間の果てに。
2006年、1月16日。
友人と私は、徹夜明けのねむたい目をこすり成田空港へ向かった。
飛行機は13時発、モスクワ行き。
しかし、私たちの目的地はモスクワではない。
モスクワで飛行機を乗り継ぎ、目指す先はフランスはパリ。
すべてあわせると、17時間の旅である。
12月の終わりにあわてて決定した、今回の卒業旅行。
パリには何が待っているのか。
不安とわくわく感で、胸はいっぱいである。
機内で出されたドリンクを飲み干す。
そのコップの内側からみた世界は、とてもぼんやりしている。
はやく、その景色をはっきり見たい。
窓に視線を移すと、結晶がダンスをしていた。
その楽しそうな様子は、今回の旅行そのものだった。
モスクワに着陸。外はマイナス5℃の世界。
冷たさが潔かった。
表情の少ないモスクワの人たちに、
少し戸惑う。
日本人って、よく笑う国民なんだな。
パリに着いたのは、午後9時ごろ。
しとしとと雨が降っていた。
無事に到着した安心感で、
ホテルに着くと友人はすぐに寝息を立てはじめた。
機内で考えた、パリ5日間のスケジュール。
最初に向かうはエッフェル塔。
明日からが楽しみだ。